ブレス オブ ファイアV ドラゴンクォーター

鬱屈したディストピアな世界観と画作り、濃厚な物語が特徴で、戦闘も含めてゲーム自体のシステムも非常に独特。途中でも強くてニューゲームでき、それ前提かのような難易度とシステムになっている（強くてニューゲームするとその状態に応じてイベントシーンが追加され、物語がわかりやすくなる）詰みやすさもあり、クソゲーと評されて500円で中古ショップに並んでいたことで有名だが、慣れると面白く、よく練られた世界観などで現在は評価されている。厚塗り系のイラスト界隈にはかなりのファンも結構居て、かなり存在感のある作品。とにかくすべてが暗く癖が強いが、お話自体は王道なボーイミーツガール（&amp;ドラゴン）。あまり人にすすめはしないが、暗い世界観が好きな人には普通におすすめできるし、個人的には大好きなゲーム。

空へ

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本作は地下都市を舞台に、主人公のリュウとニーナが地上を目指す話である。大昔になんやかんやがあって、人類は地下に引きこもっていて、地上に出ようとするものは異端として処刑される、そんな世界で、リュウは自分の命を救ってくれたニーナの命を救うために彼女を地上に連れていくことを決意する。竜の力を借りて。人類すべてを敵に回しても。このゲームはクリアするまで本当に大変だった。本作でもっとも特徴的なのは、Dカウンターで間違いない。主人公のリュウは竜の絶大な力を使うことができるが、その代償として竜との同化がすすむ。Dカウンターはその同化率を表していて、0%から始まって100%に達するとリュウが竜となってゲームオーバーとなる。この値を減らす方法はない。時間経過で勝手にじわじわと上がっていくし、竜の力を行使すればガツンと上がる。竜の力は非常に強力な切り札で、使えばどんな敵にも必ず勝てるが、前述の通り、Dカウンターを上昇させる。なので、使わず温存したい。温存したいが、雑魚も強ければボスも強い。使わず全滅か、使って竜になるまでの残り時間を減らすか、その選択を常に強いられた。全滅時のデメリットは大きい。全滅するとセーブポイントから再スタートとなるが、多くの場合、最後にセーブしたのは何時間も前だったりする。なぜならセーブするには希少なアイテムが必要で、たまにしかセーブできないから。つまり、竜の力は、もう一度やり直すという何時間分もの時間とトレードオフなのだ(ちなみにゲームの中断はいつでもできる仕組みがある)。そうして、竜の力を使いすぎてDカウンターがどうしても100%になってしまうとどうなるのか。『詰み』である。オープニングからやり直すしかない。このような尖ったゲームデザインは、万人向けではないが、私には良く刺さった。ラスボスまであとどれくらいなのか、限られた切り札をあとどれほど温存すべきなのか、残りが読めない中でDカウンターをやりくりするのは苦しく、不安だった。しかし、その感情こそがゲームの中のリュウやニーナが感じている感情であり、彼らもまた遠い地上までの旅路のなかで先を見通せない不安と次第に追い詰められていく苦しさと戦っているのだと気がついたのだ。神ゲーである。私はあまり感情移入するタイプではないが、本作ではどっぷり浸かった。同じ苦楽を共にしたと感じたから。万人向けではないが、未プレイの方は是非攻略を見ないで、苦しみながら遊んでほしい。そして、クリアしたときの達成感や開放感を味わってほしい。できるものなら記憶を消して、私ももう一度初見プレイをしたい。ちなみに、全滅したり詰んだりしたときは強くてニューゲームで最初からやり直せる。やり直したときだけ発生するイベントシーンもあるから、やり直しは織り込み済みのゲームデザインなのだろう。やり直した部分は何が起こるかわかる分だけ難易度が下がるので、何度かやり直せばクリアは誰でもできると思う。その点もよく出来てる。

リュウたちの苦しさを追体感するRPG

昔の作品をレビューしても良いって聞きました。
太古の昔、みみぴさんレビューキャンペーンに参加してました！

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