蚊の評価・評判レビュー
蚊になって女の子の血を吸いたいなぁ~
そんなニッチな要望を叶えてくれるゲームあるわけ……あるんです。
タイトルはずばり『蚊』(PS2)
父、母、娘のごく平凡な三人家族、山田家を襲う一匹の蚊。部屋のベッドで寝転んでいるところだったり、リビングで寛いでいるところだったり、お風呂に入ってるところだったり、様々なシチュエーションでの吸血が可能。
立体的に空間を飛び回る蚊は操作性も抜群。蚊といっても見た目はキュートにデフォルメされているので虫が苦手な方でも安心。プレイ中になんかむず痒くなってくるけど、それもこの没入感あってこそ。飛翔中に見つかれば追いかけ回され、吸血中に気づかれたらビンタで一撃死という、他のステルスゲームでも類を見ないスリル満点のシステム。
とくにステージが進むにつれて熾烈になる山田家との攻防は手に汗握る、というより笑える。たかが蚊一匹にそこまでしなくても……と引いてしまうくらいの徹底っぷり。例えるなら、ネズミに地球破壊爆弾を持ち出すドラえもん並みの過剰防衛。ビームとか普通に撃ってくるし、どこが平凡な家族やねんと思わずツッコんでしまう。
本編はもちろんのこと、収録されている隠しミニゲーム「暴走バイセコー」も楽しい。
二人プレイ専用の対戦ゲームで、自転車に乗ったおじさん同士がはるか上空のステージで激しくぶつかり落とし合うという極めてシュールな内容だ。自転車にはロケットブーストが搭載されており、ときには空中戦の様相を呈する。対決そっちのけでチキンレースをしたり、同時にステージからぶっ飛んで飛距離を競い合ったり、途中からもうなにが目的かわからくなる。弟と一緒にプレイして過呼吸になるほど笑ったのはいい思い出。
女の子の胸や太ももより、おじさんのバーコード頭を刺すことに躍起になってくるころには、立派に蚊としての自覚が芽生え始めていることだろう。プレイするときは念のため、ムヒの用意を忘れずに。