突然ですが、私はグラスワンダーが好きです。どこが好きとかそういう次元じゃなく人生、もといバ生が好きです。今回はグラスの育成シナリオがいかに激アツストーリーかを力説しながら布教します。適宜端折りますが魅力が存分に伝わるようにするのであしからず。
Q:そもそもグラスワンダーって?

A:おっとり大和撫子と見せかけて中世の武人みたいなメンタリティの美少女。性格も表向きは柔和だが実はかなり頑固、そして極度の負けず嫌い。
キャラ名も長いので記事内では適宜省略します。
正式名称 | 記事内の略称 |
---|---|
グラスワンダー | グラス |
エルコンドルパサー | エル |
スペシャルウィーク | スペ、スペちゃん |
セイウンスカイ | スカイ、セイちゃん |
彼女は"不退転“を掲げる
イベント:グラスワンダー登場!
グラスのシナリオを語る上で外せないキーワードが「不退転」

仏道修行を怠らずに励み、しりぞかないこと。一般に、何事にも屈せず固く信じて心をまげないこと。
何事に屈さない、心をまげない。グラスを象徴する言葉と言って良いでしょう。普段は柔和で温厚な優等生タイプですが、自分がこれと決めたことに対しては頑固に貫き通す。お話の中でトレーナー自身も、彼女のこのとんでもなく不器用で頑固な覚悟と向き合うことを与儀なくされます。
“怪物二世“という呪い
イベント:“怪物二世“
ジュニア級で芝1600mにおいて1分34秒という好タイムを叩き出したグラス。その実力から、レースを見ていた記者は、かの「怪物」ことマルゼンスキーの影を重ねてグラスを「怪物二世」の名で呼んだ。
伝説的な実力者たる先輩の名を受けるのは普通なら喜ばしいこと。しかしグラスはどこか憤るような表情さえ見せる。

『二世』とは『頂点』の名ではない。
世代の頂を目指す彼女にとって、誰かの後ろを意味する「二世」という言葉は侮辱、あるいは呪いの類だったのか。『喜んでなどいられない。』そう呟いた彼女の顔はどこか険しいものがあるようにも思えた。
筆者的感想
ちなみに筆者は最初このイベント読んだ時、自分に他者を重ねられることが嫌なのかと思ったんですよね。自分を評価していない、見られているのはあくまでマルゼン。それが気に食わなかったのかなと。でも違いました。グラスの頂点を目指すという覚悟、そして死ぬほど負けず嫌いな所が出ていてとても好きなイベントです。
宿敵は誰か
イベント:集うは一世の雄
日本ダービー目前の記者会見、エルコンドルパサー、セイウンスカイ、スペシャルウィーク、そしてグラスワンダーら有力なウマたちがそれぞれ意気込みを語る。会見終わり、ルームメイトでもあるエルはグラスに直接の宣戦布告をした。
筆者的感想

グラスとエルからは友人やライバルを超えた名状し難い関係性を感じる。それこそ宿敵と書いて『とも』と読むみたいな。この後のストーリー的にもエルはグラスにとってのマスターピース的な存在になっていくんですよね。とにかくこの2人の距離感、マジで良い。
綻び
イベント:届かぬひと
クラシック級の有馬記念直前、出走を予定していたマルゼンスキーが怪我により突如として欠場。そしてこれを最後にトゥインクルシリーズには出走しない。その報せを聞いたグラスは落胆し、足早にトレーナー室を去ってしまう。
グラスをどう支えて良いか悩むトレーナーの前に、件のマルゼンがやってきてこう告げた。
『グラスワンダーと戦うのは、今では無い』
グラスは大丈夫。あの子は自分が持っていないものを最初からたくさん持っている。そう残してマルゼンは去っていった。
筆者的感想
このイベントかなり貴重で、グラスが初めてトレーナーの前で泣きそうになる、弱みを見せそうになるシーンなんですよ。

マルゼンと直接対決し、怪物二世の呪いを断ち切るまたとない好機を永遠に奪われたのだから、当然かもしれませんが。グラスの揺れる心情と同時にトレーナー自身も揺さぶられる感があっていいイベント。
さまよう
イベント:有馬記念の後に
マルゼンスキーの欠場後、目標不在のまま迎えた有馬記念。レース前もシューズを履き間違えるなど明らかに様子がおかしいグラス。レース終了後、ライバルの1人セイウンスカイからは勘弁して欲しいとまで言われてしまう。
そんなグラスの走りを目にしたエルは、激しく憤るのだった。
筆者的感想
ちなみにこの有馬記念時の育成イベント、勝っても負けてもセイちゃんからは辛辣な言葉をかけられます。

信頼の裏返しだとは思うけど、この時のグラスには相当堪えたはず。
何が”不退転”か
イベント:初詣
有馬記念後調子の戻らないグラスの元に、エルがやってきた。有馬記念での腑抜けた走りを咎められたグラスは、柄にもなく声を荒げる。
あなたに何がわかるというの、エル。
挑むことさえ叶わなくなった!!
”怪物”の名に手さえ伸ばせなくなった私の、何が――!!
間髪入れずにエルが吠える。
アタシを見ろ!!
グラスに対し、自分こそが超えるべき壁であると宣言しエルは去っていく。
エルの覚悟を目にしたグラスは、トレーナーに預けた不退転の書を自ら破り捨て、決意を新たにするのだった。
筆者的感想

初詣イベントがここまで熱いキャラは珍しいと思う。名にばかり執着して目標を見失っていた主人公を、ライバルが一喝して目を覚まさせる。このイベント何回も見てるけどマジで熱い。テキスト量が多いから因子掘ってる時だけややうざいのはご愛嬌。
頂きへ
イベント:宿敵、覚醒〜Tエンディング
グラスとの前回勝負、宝塚記念で敗北したスペシャルウィークは、有馬記念を前にグラスを呼び出して宣戦布告する。有馬記念当日、全力勝負の末に本気のスペを倒し、グラスワンダーは見事世代の頂きに立ったのだった。
有馬記念、その頂上に立ったのは
誰の影から生まれたのでもない、
立った1人のウマ娘――
最後の最後に、彼女は"怪物二世"の呪いを自らの力で断ち切ったのだ。
筆者的感想
一番好きなのは、怪物二世という異名を払拭し、「グラスワンダー」というただ1人のウマ娘としての評価を自分の実力で勝ち取っているところ。そこにはやっぱりエルの「アタシを見ろ!!」は欠かせなくて、お互いを支え合い、高めあえる存在って素晴らしいなと思わせてくれるスト―リーなんですよね。

余談だけど、グラスは黄金世代の中で史実馬が唯一存命なせいか、他の面々を(先に行かせて)見送るようなイベントが多い気がします。グラスおじいちゃん、長生きしてね。
おわりに
史実の勝鞍、宝塚記念を飛ばしたのはイベントの見どころがないからです。宝塚記念はスペちゃんとの名勝負で、グラスの末脚が120%発揮された最高のレースなのは間違い無いけど、ウマ娘におけるグラスのストーリーはグラスとエルの切磋琢磨を軸にしていて、スペはあくまでライバルの1人という感じ。最後の宝塚〜有馬でややフィーチャーされる程度なんですよね。
史実だけ見ればグラスの最大にして最強のライバルは間違いなくスペちゃんなんだけど、この記事はあくまでゲーム内のお話準拠なので割愛しました。
そもそも史実だと怪我で出走出来なかったクラシック年代に、ゲームだとガッツリ出走している点とか色々賛否あるとは思いますが、僕はこれはこれで良かったと思います。最終的に一つの物語として面白いかどうかが重要で、その観点で見れば1億点の出来なので。
とにかく、この記事を通してグラスワンダーというキャラの、ひいてはウマ娘というコンテンツの素晴らしさが素晴らしさが伝われば幸いです。では。