隠れた良ゲー:プリンセスクラウン
対応機種:セガサターン、PSP、PS4(後述)
開発:アトラス
発売年:1997年

はじめに
テケシです。このゲームは私の青春の1ページであり、これは書かねばと思い筆を執りました。
初見は学生の頃、学友の住まうクーラーもない寮の部屋で試遊したのが出会いです。当時は生活するのに手一杯でセガサターンを迎え入れる余裕はなく、彼の部屋に度々上がり込んでは本作に齧り付いておりました。今思えば迷惑なやつです。(その後アルバイト代をはたいて本体ごと買いました。)
中年の思い出話はさておき、この記事を書こうと思った理由は本作がアトラスと現ヴァニラウェア代表・神谷盛治氏の作品であり、同社の傑作として名高いオーディンスフィアの原点とも言える作品だからです。オーディンスフィアといえば可憐で美しくも強い主人公が、絵本のようなファンタジー世界を駆け巡るのが魅力の1つですが、その息吹は本作でも感じることができる筈です。最近発売された同社のユニコーンオーバーロードも含め、このような世界観が好きな方に多少なりとも興味を持っていただければ幸甚です。
ゲームの紹介
なるべく多くの方にプレイしていただきく、簡素な紹介に止めようと思います。
王道のストーリー
人間と魔族が対立する世界にて、代々女王が治めるヴァレンディア王国にデーモン率いる闇の軍勢が突如攻め込むも、賢く勇敢な女王エルファーランの活躍によって撃退されます。
時は流れ、長きにわたり不在であった女王の座を13歳となった主人公グラドリエルが継承する所から物語は始まります。

▲ゲーム開始時の画面。絵本に女の子に黒猫・・・どこかで見たような・・・?

▲13歳を迎え、戴冠するグラドリエル
主人公グラドリエル
弱冠13歳で女王の座についた主人公グラドリエルですが、その可愛らしい顔立ちに重厚な鎧と剣という出で立ちで登場します。こう文章で書くと不自然に思えますが、異色の組み合わせがむしろ印象を深くしていると感じます。
グラドリエルは少し無鉄砲ですが勇敢で言葉遣いにも気品が感じられ、その振る舞いに心を掴まれた方もいるのでは無いでしょうか。
王冠が似合うキャラって魅力的ですよね…

▲気品と強さを感じるグラドリエル
なお、母であるエルファーランも自分の騎士を傷つけられたことに激昂し前線で剣を振るうという、こちらも魅力的なキャラクターとなっております。

▲デーモンに勇敢に立ち向かう女王エルファーラン
他にもドラゴンスレイヤーと呼ばれる凄腕の剣士エドワード、事あるごとにグラドリエルの邪魔をしてくる幼い魔女プロセルピナなど魅力的なキャラクターたちが登場します。
シンプルながらも奥深い戦闘
様々な経緯から冒険の旅に出るグラドリエルですが、道中で多くの敵と戦うことになります。フィールドはオーディンスフィアと同様に横スクロールですが、特徴的なのはその戦闘シーンです。敵と遭遇すると対戦型格闘ゲームのような戦闘シーンへ突入します。
格闘ゲームのようではありますが操作はシンプルで、多くても2ボタンを同時に使用するくらいです。しかし、ダッシュ、ジャンプ攻撃、防御、回避、必殺技など様々なアクションをうまく使い分ける必要があります。更に、アクションを行うとPOWERゲージを消耗し、ゲージが0になると攻撃や防御が一定時間できなくなるため注意が必要です。
ボス戦ともなると敵は強力でありゴリ押しで倒すことは難しいため、アクションに加えて回復やバフ効果を持つアイテムの使用も考えねばなりません。
しかし持てるアイテムは8個まで…なかなかに奥深い戦闘を楽しむことができると思います。

▲対戦格闘ゲームのような戦闘シーン
超美麗な2Dグラフィックスときめ細やかな描写
アトラス✕ヴァニラウェアといえば美麗なグラフィックスと細かな描写が特徴ですが、それは本作からも感じ取ることが出来ます。
美しいフィールドや個性的なキャラクター達の表現、なめらかなで迫力ある戦闘シーン、そして何と言ってもグラドリエルがアイテムを取るために屈む、食事をする、褒められて恥ずかしがるといった仕草の細かい描写には感動を覚えると同時に、この頃からコンセプトが変わっていないのだなと感じます。
しかも本作が驚異的なのは、これら全てが2Dドット絵で描かれているということです・・・!

▲アイテム選択中のグラドリエル。アイテム欄といいパンといい、どこかで見たような・・・

▲食事の描写も細かい
おわりに
記事を書き終えて、優れた点を並べていくとキリが無いくらい本作が魅力的な作品であることを再確認させられました。本当に27年前のゲームなんでしょうか・・・
プレイ可能なハードウェアはセガサターンとPSP、そしてPS4版の十三機兵防衛圏の先着購入特典となっており、ややハードルは高いかも知れませんが、アトラス✕ヴァニラウェアの作品が好きな諸氏には是非プレイをお勧めしたいです。
もちろん、そうでない方であっても単独のゲームとして非常に評価の高い逸品ですので、機会があれば是非プレイしてみて下さい。
ご清覧いただきありがとうございました。是非とも♡やコメントをお待ちしています!

※素材を提供してくれたLさんに感謝します。
応募情報
Xのユーザー名:tekeshiblue
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