聖剣伝説 Legend of Mana

「ココロがあるひとは みんな どこかいっちゃうんだよねボクら ココロがないから どこにもいかないんだって」こんなセリフを聞かされて、フム…と考えごとをするのが嫌いじゃない人向けのゲームです。私がキッズの頃に遊んだときは、何言ってんの？そんなことよりバトルだ！ぐらいの感想でしたから、こんなゲームを楽しめるはずもありません。よくわかんねぇなあ、という消化不良感を抱えて終わったゲームでしたが、リマスター版を遊んだことにより、大人向けのゲームであったことをようやく理解。ファンキーなキャラたちが好き勝手に生きる世界で、失われてしまった愛のカタチを探します。主人公は喋らないため、次はどこへ行くか？そこで何をするのか？はプレイヤーの想像力と好奇心、その日の気分しだい。１つのストーリーだけをどんどん進めてもいいし、サブストーリーを食べ歩きしてもいい。出会うキャラ１人１人の言葉に感想を言いたくなるような不思議なセリフ回しが楽しく、影響されて変な奴になってしまうのも仕方なし。ぐげ。このゲームの明確な短所と言えるのはアクションRPGとしての難易度が低いこと。敵が弱くて緊張感がないな～とは思うものの、大事に育てたペットがモンスターに殴られてもまあまあ平気という気楽さも悪くないので、アクションが得意じゃない人（私も含む）にとっては長所になるかもしれません。昼下がりのアンニュイな時間にゆったりと、あるいは夜のチルタイムにまったりと。下村陽子氏による情感あふれるBGMと、メルヘンチックでビターな世界観に溺れる体験、ゲームの味をじっくり楽しみたい人におすすめしたい作品です。

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