SFや群像劇が好きというわけではないが、仕事仲間が猛烈にオススメしていたので夏季休暇の間に遊んでみた。核心に迫らない程度のネタバレはかますのでご注意を。十三機兵防衛圏は、ヴァニラウェアという従業員数29名(2019年)の少数精鋭企業が生み出し

SFや群像劇が好きというわけではないが、仕事仲間が猛烈にオススメしていたので夏季休暇の間に遊んでみた。

核心に迫らない程度のネタバレはかますのでご注意を。

十三機兵防衛圏は、ヴァニラウェアという従業員数29名(2019年)の少数精鋭企業が生み出し、アトラスから発売されたSFアドベンチャーである。

Amazonレビューは5点満点中4.6と非常に高評価。

だから斜に構えたいというつもりはないが、良い点も悪い点も感じたままに綴ろうと思う。

このゲームが大好きで肯定的な意見しか読みたくないというファンの方は閲覧しないことをおすすめする。

筆者は、世界は任◯堂を中心に回ってると思い込んでいる任◯堂信者なので、任◯堂以外のゲーム開発会社をほとんど知らない。

なので当作の、温かいタッチで描かれたあまりにも美麗なグラフィックに驚かされた。

キャラを操作するだけでも、一枚絵の中にいる人物を動かすような楽しさがある。

また、「飯テロ」はヴァニラウェア作品のひそかな伝統のようだが、今作も例にもれず。

JKにはクレープがよく似合うと思ったし、逆に焼き鳥の似合わなさといったらなかった。まあかわいかったんですけどね。

走る、食べる、薬を飲む、倒れるといったキャラの様々な動作表現において2Dを貫き通している点も好感を持った。

表情も様々なバリエーションがある。

無防備に座り込んだ冬坂が下着を隠し頬を赤らめるモーションは非常にかわいい。

グラフィック制作、ほんと大変だっただろうなぁ。。

制作陣の並々ならぬこだわりを感じる。

グラフィックだけなら花マルを捧げたい一作である。

女子(おなご)たちが本当にかわいい。

お気に入りキャラは、レギュラー陣ではないが沢渡美和子。

自分の気持ちや欲求に素直に生きており、それでいて柔和でかわいい。

ぜひいっしょに食べ歩きしたい。

微妙な体型とのんびりしたボイスに癒される。

ロードが速く、UIも遊びやすく設計されており快適だった。

次に合わなかった点や、うーんと思った点を列挙していく。

まず筆者は頭が弱いので、難解な用語が飛び交い二転三転するストーリー展開についていくのが厳しかった。

追想編と崩壊編で描ききれなかった部分は究明編で補完されているとはいえ、そもそも世界観に対するモチベが高くないとそこまでじっくり読むのは億劫。

おそらく単純に合う・合わないの問題だと思うが、あまり続きが気にならないストーリーだった。

すごく面白いと感じていれば、積極的に究明編を読みに行き理解を深めようとしたと思う。

クリアしてから振り返ってみても特に心に残るものはなかったので、体験としての価値はイマイチだというのが率直な感想。

追想編は任意のキャラを選んで進める一見自由なスタイルではあるものの、特定のキャラや崩壊編の進行度によってストップがかかるので、結局全部やらなければならない。

分岐や隠し要素などもなく、本質的には一本の線をなぞるだけのストーリー構成となっている。

ゆえに寄り道要素もほとんどない。

例えばジャンルとしては同じアドベンチャーである「逆転裁判123」なら、ストーリー攻略においては関係ない証言をゆさぶったり、無関係の人物や証拠品の写真をつきつけたりといったゲームクリアには結びつかないアクションにも専用のテキストが用意されている場合があるので、世界観により厚みが増す。しかもその内容がいちいち面白いため、そのすべてを読破したくなるものである。2ではバッドエンドも存在した。

「ダンガンロンパ」なら、特定のタイミングである行動をすると隠しスチルを見ることができたり、本編をクリアすると様々なエンドコンテンツが解放されたりする。

当作のエンドコンテンツは崩壊編の第4エリアのみ。それもアップデートしなければ遊べないもの。

世界観やストーリー自体はよく練られている作品なだけに、本編以外のコンテンツの乏しさが非常に残念だった。

また、追想編は早送り機能があるとはいえ、同じような場面を何度も繰り返し見せられるのが怠かった。

はらはらする場面で終わったと思えば、続きは何事もなかったかのように最初の場面から始まったりする。

さっきのはなんだったの？と思うが、キャラ本人が覚えているので実際に起きたことらしい。

なんで無事なの？どうやって帰ってきたの？疑問は尽きない。

当作は「同じ人間でも生育環境が異なると違う人物に恋愛感情を持つ」といったストーリー展開があったことからも、もし違う環境で育っていたら、もしあの時違う道を選んでいたら、という人生においての「もしも」を想像する余地を与えたいのだろうか。

しかし先述の通り、当作は自由とみせかけて実際は一本線の物語。

当作においても、現実世界においても、「もしも」を考えるのはなんの意味も持たないことのように思える。

女子は各々キャラが立っており記憶に残るような子が多かったが、男子は個人的には印象が薄く魅力に欠けていたと感じる。

どこかで見たようなキャラが多い。

好きな人には申し訳ないが、関ヶ原と三浦の見分けがつかない。

10年後も覚えているのはストーリー展開のインパクトが強かった比治山ぐらいだろうな。

今のところ、焼きそばパンを見る度に彼のことを思い出す。

当作の主人公たちは高校生ということもあってか、意中の人物への恋愛感情がたびたび描かれていた。

だが、一目惚れだったり既に好きになっている状態から始まっていることが多く、好きになった理由や経緯の部分があまり描かれていないため感情移入しにくい。

たとえばなぜ東雲は井田先生のことが、そして井田は如月のことがそんなに好きなのか。

恋愛絡みでなくとも、当作はキャラたちの行動の下地となる動機の表現が甘く、腑に落ちないままストーリーが進んでいくのでいまいち身が入らなかったのだと思う。

キャラ本人とその生みの親である制作陣にはわかっても、我々プレイヤーは説明がなければわからない。

想像で補完すべき部分なんだろうか。

崩壊編のバトルがはっきり言ってあまりおもしろくない。

バトル自体の爽快感のなさ、不必要な複雑さもあるが、おそらくこれもストーリーへの理解が追いついてないせいだと思われる。

崩壊編は完全に作業になっていた。

だからって追想編ばかり進めていると一定のポイントから進められなくなり、崩壊編のステージもちゃんとクリアしなければならない仕様となっている。

これが作品全体のテンポを損ねている。

自分でも不思議なほど一曲も覚えていない。

というわけで、どちらかといえば良作だと思うが、個人的には絶賛されるほどの名作とは思えなかった。

あまり詳しくないが、小規模の制作会社による作品と考えればかなりレベルは高いと思う。

時系列がバラバラの群像劇はこれまでのアドベンチャーゲームになかった新しい試みと言われているので、ゲームに詳しい人ほど感動するのかなぁ。

どちらかというとゲームよりもアニメ向きのストーリーだと思う。アニメ化したらぜひ視聴したい。

まあ、令和のゲームについていけない年寄りはSwitchで64のゲームでもやってなさいってことなのでしょうか。

マリオパーティ(初代)のミニゲームアイランド早くやりたい。

アニメ化希望

十三機兵防衛圏

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