2021/11/19に発売となったBF2042がなぜコケたのか。1年経った今から改めて見返す。

2021年11月に発売となったBFシリーズの最新作BF2042。

BF1、BFVと過去の大戦を描いた作品から売って変わり、多くの人が望む（事実上の）現代戦を題材とした作品としてリリースされたBF2042。

ナンバリングシリーズではBF4以来となる現代戦にシリーズファンは大いに沸いたが、いざ蓋を開けるとゲームバランスの調整不足が大いに目立つBFシリーズ屈指の駄作となった。

1年経った今、なぜBF2042が失敗したのかをプレイヤー目線で紐解いていく。

BFシリーズは、その広大なマップを最大128人で歩兵としてはもちろん兵器も使用して対戦できるのが売りのFPSだ。従来作品は64人を原則として最大としていたが、本作からは128人となり戦場自体もより広くなった。

だが、ここで問題となるのは、マップの要所要所や拠点間にある遮蔽物の少なさだ。

どのシューティングゲームでも遮蔽物を利用した戦闘が主となる中、2042は拠点外に遮蔽物がほとんどなく、ただ広い平野や荒野を走らされるようなマップが目立つ。遮蔽物を利用した駆け引きをほぼ否定し、広い場所へ出れば一方的に撃たれるだけの面白みのない撃ち合いとなる。スモークグレネードといった選択はもちろん存在するが、撃ち合いにおける駆け引きや装備の制限が良い結果を残したとは言いにくい。

128人対戦では、死んでリスポーンする際に少人数の分隊から復活する選択と自軍が抑えている拠点から復活する2つの選択肢がある。

大抵の場合は分隊単位で敵の拠点を落とそうと攻めるため、自分の分隊が全滅していて復活できないケースも多く、拠点からの復活を余儀なくされる。

拠点からの復活は過去作から引き継がれる伝統的なゲームシステムだが、本作の問題は拠点と拠点の距離が離れすぎており、自軍拠点から数分かけて移動しなければならない点だ。

乗り物専用の乗り物があり比較的短く移動できる場合もあるが、徒歩で移動となった場合は大幅な時間を消費する。

最大の不満点となるのは移動後にすぐ死んでしまった場合だ。また拠点から復活し数分かけて移動し直し...とゲームの快適性を極めて大きく損なってしまう。過去作では分隊の切り替え機能を利用して激戦区にいる別の味方から復活することもできたが、本作ではそういった機能がなく、分隊が全滅したあとはひたすらマラソンが始まり、ユーザーにとってストレスになった。

好きなマップをプレイしにくい欠陥仕様

BF2042では、新ステージや武器を楽しめるAoW、過去作マップ/武器を今風にリメイクしつつも2042で追加されたマップもカスタムゲームとして遊べるPortal、脱出系コンテンツであるハザードゾーンの大きく3つのゲームモードが存在している。

うちPortalはユーザーが自由に編集できる拡張性が高めのコンテンツではあるが、ユーザーのメインとして遊ぶのはAoWのモードであり、他のモードは人口が少なめとなっている。

AoWでは「コンクエスト」「ブレークスルー」などの大まかなモードを選択するだけで自動でマッチングする仕様を採用。お手軽さはあるものの、自分の好きなマップを選んで遊ぶことはできない。過去作ではサーバー（部屋みたいなの）を自由に選べる関係上、好きなマップやゲームルールを採用しているゲームへの参加ができたが、本作で大きな人口を占めるAoWモードではそういった仕様はない。特定のマップを遊びたい場合は狙ったマップが来るまでマッチングしなおす作業が待っている。

対戦ゲームに置いて「デス」が発生するのは当然だが、その死に方に納得行かないシーンの多さも目立った。

撃ち合いで負ける、敵戦車に砲撃を受ける、といった自分のプレイや相手の実力に由来する駆け引きの結果"以外"として、デスが発生する事が多い。

敵が真横にいる状態で拠点に復活してしまい状況把握をする前に瞬殺される、遮蔽物のない平原で敵のバギーに一方的に轢殺されて逃げられる、といったプレイにおいて理不尽さを感じる場面の多さも本作の問題の一つだ。

マップデザインとも密接している問題ではあるが、自身の実力ではなくゲームデザインとして殺され、最適な行動を考える余地すらない理不尽なゲーム性が本作を衰退させた大きな要因となる。

武器の少なさと性能のバランス

2042はカテゴリー毎の武器種も少なく、また強武器とそれ以外の差が大きい点も問題の一つとして挙げられる。

マップ絡みで交戦距離が全体的に長いというのも事実上の武器の選択肢を狭める要因となった。

一般的なFPSではARやLMGは近距離〜中距離での有効性が求められる一方、2042では交戦距離が全体的に長くなったため遠距離の対応も必要となった。連射系の武器はTTKに加えて低反動の武器が評価されるようになり、高反動の武器は見向きもされない環境へと遷移していく。

通常のゲームでは反動が強い武器は、近距離が強いといったメリットデメリットが明確化されており、交戦距離の工夫がゲームデザインとして組み込まれている。一方で2042はマップが開けており、近距離戦向けのSMGや反動の強い初期のPKPなどの武器は採用率が低く、SVKなどの全レンジで安定してキルが取れる武器が環境を支配した。

ゲーム性以外の部分で評価を大きく下げたのはクラッシュやスタックなどのゲーム再起動が絡む部分だ。

特に顕著だったのはゲームへの参加が行えない、ゲーム中にUIが消滅し何もできなくなる、といったゲームの進行に致命的な影響を及ぼす不具合。リリースしてから当面の間は修正されず、その間にもどんどん人は減っていく形となった。

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