星降ヨルさんにオススメしたい作品は、名作シミュレーションRPGシリーズ初の携帯ゲーム機作品、ゲームボーイアドバンス三作の１つ『ファイアーエムブレム 封印の剣』です。よければ最後までお付き合いください。

  『ファイアーエムブレムシリーズ』とは、1990年にシリーズ１作目である『ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣』が発売されてから2023年の『ファイアーエムブレム エンゲージ』まで続くシミュレーションRPGシリーズの事です。

    中世の西洋風な架空の世界を舞台に、戦士に魔道士、弓兵に騎兵に飛行ユニットと多種多様な特性を持つユニットを指揮しながらマップの攻略を目指していく王道シミュレーションRPGであり、今回紹介したいのは2002年にゲームボーイアドバンス用として発売されたシリーズ６作目にして初の携帯ゲーム機用の作品、『ファイアーエムブレム 封印の剣』。

    複雑化してたゲームシステムを一部廃止や整理・統合した上で新たな機能も追加されており、初めて遊ぶにはシンプルで遊び易い作品だと思います。

    個人的な話で申し訳ないですが、これと続編の『烈火の剣』、新たな舞台の『聖魔の光石』を合わせたゲームボーイアドバンス三作は、子供の頃本当にやり込んだ作品達でかなり思い入れが深いのもあり、今回チョイスしました！

    架空の大陸・エレブ大陸。西方のエトルリア王国、東方のベルン王国という二大国を中心に拮抗が保たれていたが、突如ベルン王国が各地に侵攻を始める。

    大陸南方にあるリキア地方のフェレ侯爵家嫡男である15歳の少年・ロイは、病床に伏す父親に代わりリキア同盟の盟約に従い臣下達を従え戦火へと身を投じていく………。

    と言うのが今作のあらすじ。主人公は『大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ』でもお馴染みの、温厚で心優しくそれでいて強い意志と決断力を持つ少年ロイ！

   彼が各地を転戦しながら様々な出逢いと別れ、裏切りや協力を経験しつつ成長し、大軍の将として大陸全土を巻き込む戦乱と闇に挑んでいくという癖の無い王道ストーリーで、その点も初めてシリーズに触れるのに丁度良いポイントかなと思います。

    全25章＋外伝マップ6章の構成で、エンディングは一応３パターン。途中のルート分岐もあり、ルートによって仲間になるキャラが違ったりします。

    22章終了時点での状況によっては黒幕逃亡のやや後味の悪い結末を迎えるノーマル(バッド)エンド。

    特定キャラの生存や規定ターン数以内でのクリア等の条件を満たすと進める外伝マップを全てクリアして、あるアイテムを全て集めると23・24・終章へと進む事が出来、ラスボスの撃破方法で更にノーマルエンドかトゥルーエンドかに分かれます。

    初見時だとやや外伝の条件達成が難しいマップもあったりしますが、全体的な難易度はシリーズの中でも易しい方なので、全くクリア出来ないってほどでは無いですよ。

◆キャラの命運は貴女の手に。基本的なゲームシステムについて

    ゲームシステムについては、スキルの廃止や一部コマンドの廃止によりシンプルでわかりやすい物に変更されており、初めてシリーズに触れる初心者に丁度いい内容だと思います。

    シリーズ伝統の基本的な部分はしっかりと継承されており、武器の相性(剣は斧に強く、斧は槍に強く、槍は剣に強い)や弓が飛行ユニットに特効が入るとか、下級職から特定アイテムの使用で上級職にクラスチェンジ等基本システムはもちろん健在。そして何より、私が当時一番衝撃を受けたシリーズ伝統のシステムがユニットロストシステムです。

    戦いの中で力尽きHPが0になった場合、普通のRPGなら瀕死や戦闘不能になって回復するまで行動不能になるとかですが、このシリーズの場合はHPが0になる＝ユニットの死亡・消滅となります。

    ヒロインや後のシナリオ分岐フラグで必要になるような重要キャラでも容赦なく。

    最期の言葉を遺し、その命を散らして逝きます。

    後年の作品にある『カジュアルモード』のような救済策も蘇生アイテムも無いので、そのまま進むかリセットしてその章の初めからやり直すかしか方法がありません。

    一見不便・不親切にしか思えないようなこのシステムが、ゲームプレイに適度な緊張感と、そして後述する『支援会話』機能も相まってキャラクター一人一人に「データ上のただの存在」ではない「死んでほしくない戦友」としての命の息吹きを与えてくれるのです。

    多方面からの挟撃に対応する為にどう部隊を分けるか？賊に襲われそうな村を救援する為に誰を向かわせるか？陣形に穴はないか？そう言った判断・決断の１つ１つ。その中での自分のしょうもないミスによってキャラクターの命運が決まってしまうので、ハマると結構真剣に考えちゃうんですよね。

    また、全体のマップ数が限られている＝育成の機会が限られているので、目前のマップクリアの戦術だけでは無くて「将来的な組織の主力になって貰うために、誰を育成するか？」といった中・長期的な戦略を見据えて挑まないと詰みかねないので、気分は本当に一軍の長ですね。

    そして育成の話ですが、実は今作はレベルアップ時に上昇するステータスが一定ではありません。

    ステータス毎に「成長率」が設定されており、レベルアップ時に各ステータスの上昇可否についての抽選が行われます。つまり高い成長率のステータスは安定して上がりますが、並み以下の成長率のステータスについてはかなりまちまち。

    なので、同じキャラを同じレベルまで育てても最終ステータスが結構違ったりする事も多いですね。

    プレイによっては、高い成長率で期待を持って育てたキャラが全然伸びなかったり、逆にそんなに期待していなかったキャラがメキメキと頭角を現したり………書いてて思いましたが、なんか…会社の新人育成みたいですね。

◆戦場で紡がれる絆。個性豊かなキャラクター達

    「はじめに」の部分で多種多様なユニットを駆使して攻略していくと書きましたが、その仲間になるキャラの経緯も十人十色。単純なシナリオ進行の過程で仲間になるキャラもいれば、最初は敵として登場するも特定の味方による説得により自軍に加わる者、複数回にわたる説得が必要な者、お金で雇う者………と、その出自や経歴も含め大陸中の様々なキャラが仲間に加わります。

    そして、そんなキャラクター達の魅力を引き出すモノとして今作から採用され、以降のシリーズでも継承された要素が『支援会話』です。

    マップ攻略中に一定ターン以上特定の組み合わせのユニットを隣同士で隣接させていると、「会話」というコマンドが表示される事があります。このコマンドを選択する事で特別な会話イベント『支援会話』が発生します。

    内容としては友情に愛情、主従の絆、家族愛にライバル関係など多種多様。会話が発生する組み合わせも主従や同僚、家族やシナリオ上での因縁のある組み合わせの他にも、「え、君らで会話あるの？」って組み合わせまで様々あります。

    ロストする可能性があるので、メインシナリオの会話パートになかなか絡む事が出来ない皆の意外な一面を見ることが出来て、それだけでも愛着がわいてきますね。

    『支援会話』はＡ・Ｂ・Ｃの三段階あり、Ｃ→Ｂ→Ａと順に関係を発展させていく事でより深い関係性へと変化していきます。

    さらに戦闘面でも恩恵が大きく、支援関係を結んだキャラ同士が近くに居るとそれだけで命中率や回避率や攻撃・防御等々に補正がかかり、戦闘や攻略をかなり有利に進める事が出来ます。その為、キャラ愛どうこうを抜きにしても無視出来ない要素でもありますね。ちなみに補正値もＣよりＡの方がはるかに高くなっていきますので、その面でも関係を深めるメリットは大きいです。

    一度のゲームプレイで１キャラが使える『支援会話』の回数は５回まで。なので組み合わせとしては、Ａ１人とＢ１人とか、Ｃ５人とか、Ａ１人とＣ２人………と、仲を深める事が出来る人数に限りがある点は注意が必要ですね。

    さらに、支援Ａまで発展すると関係が深まり大きな支援効果が得られるだけではなく、特定の組み合わせ…と言うか主人公のロイと特定の女性キャラに関してはエンディング時に語られる後日談が「ペアエンディング」と呼ばれる特別な物に変化します。その数６人。ぜひ、お気に入りのカップリングを見つけてみてください！

◆クリア後もまだまだ遊べる！やり込み要素

    一度ゲームをクリアした後も、まだまだ遊べる要素があります。

    違うルートを選んだり、見れなかった組み合わせの支援会話を見たり、普段使わないキャラを使ったり、兵種の縛りを入れたり………と言った事以外にも、一度ゲームをクリアした事により解放されるコンテンツがあります。

    それが、『ハードモード』と『トライアルマップ』。

    『ハードモード』は、本編をその名の通り難易度を上げた状態でプレイ出来ます！………と言ったものですが、これがかなり難しい。

    全体的に敵のステータスが上昇したり、一部増援や敵の配置が増えたりとシンプルな内容ですが、最初の戦闘を仕掛けた瞬間に明らかに「ヤバい」と理解できるレベルで様子が違います。通常プレイと同じ感覚でやろうモノなら一瞬で全てを喪いかねないです。

    特に味方が育って無い序盤や敵の能力が極まった終盤の難易度は特筆すべき物がありますね。

    また、もう１つの『トライアルマップ』も面白い要素です。

    こちらは、クリアしたデータの最強軍団を使用して特別なマップで遊べると言った物で、その内容も様々。

    本編ではシナリオ上「攻める」ようなゲームプレイになるのですが、逆に一定ターン数拠点を護るマップもあったりするので、結構新鮮な気分で遊べます。

   さらに本編の周回回数によって特別なキャラが使えるようになります。仲間になりそうでならなかったキャラだけじゃなくて、何と敵将達もその専用装備と一緒に使えるようになります！

    なので、そこも周回プレイのお楽しみ要素ですね。

    総評としては、一部の兵種が強すぎたりとまだまだバランス調整不足と言うか粗い面はあるものの、極力複雑な要素を無くしてシンプルな構成にした事により遊び易さや触れ易さが向上している点は高く評価でき、初めてシリーズに触れる作品として十分オススメ出来る作品だと感じたのでこうして記事にさせていただきました。

    プレイ方法としては、GBAでもいいのですが、年会費4,900円で加入できる「Nintendo Switch Online＋追加パック」がオススメです！どこでもセーブによる巻き戻しって言うズルも出来ますしね！

    追加パック中のゲームボーイアドバンスfor Nintendo Switch Onlineの中には本作の他にも続編の『烈火の剣』、個人的に好きな王道RPGの『黄金の太陽』、名作『MOTHER3』等々魅力的なタイトルが多数ありますし、N64やスーファミでも語りきれない程の名作がラインナップされてるので、もしまだ加入されて無いのならこの機会にぜひ！！(ダイマ)

   …思ったより長くなってしまって申し訳ありません。拙い文章で読み難い部分もあった事も、この場で重ねてお詫び申し上げます。

    ここまでお付き合いいただき、誠にありがとうございました。

【星降ヨルさんが刺さりやすいテーマ】

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【星降ヨル】手の平に甦る炎の紋章『ファイアーエムブレム 封印の剣』

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